初めまして。イタミモトモニの斎藤と申します。

私は
20年秋に突然胸部への強い痛みと不快感を発症して以降、原因もわからず、治療法も見つからない中で病状の悪化や症状の波に振り回されてきました。また、生活においても社会保障の網の目からこぼれてしまう現実を目の当たりにし、希望を失う日々が続きました。

しかしペインクリニックでの治療をきっかけに、原因が難治性神経障害性疼痛であること、そして最適な治療法である脊髄刺激療法にたどり着きました。
その結果、以前と比べて苦痛はかなり和らぎ、また安定した治療もできるようになりました。しかし完治には程遠く、現在でも日常生活で困ったり、取り組んだり、そしてあきらめたりと模索を続けています。

現在は脊髄刺激療法による疼痛治療に加え、心理学を学び、そして第3世代の心理療法であるマインドフルネスの実践により、疼痛の緩和とそれと共に生きていく心を養うことができるようになりました。
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イタミモトモニについて

慢性的な痛みや苦しさにより、不安や悩みを抱えておられる方々と情報を共有し、相互に支え合える場として、すべての関係者が健やかな生活を取り戻せる、”誰も置き去りにはしない社会”を目指していきます。
また、マインドフルネスを学ぶことにより、皆様のQOLの回復のサポートとなれるよう取り組んでいきます。
慢性疼痛患者の置かれた状況について

日本の慢性疼痛の患者数は全成人の約20%、推計で約2,300万人とされています。


慢性疼痛とは、3カ月以上持続したり再発したりする痛み、または原因となった病気や怪我の回復から1カ月以上持続する痛みを指します。

患者は長期間に渡り、苦痛と共に生活をせざるを得ない状況に置かれてしまいます。また”痛み”という本人にしかわからない症状のため、周囲の理解を得られず深く悩んでしまいます。

社会保障の網の目からもこぼれ落ち、不安で不安定な生活を余儀なくされる深刻な状態です。
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慢性疼痛とマインドフルネスにいて

慢性疼痛へのアプローチは医療的と心理的大きく2層に分かれます。

マインドフルネスは、痛みの感じ方や感情、思考への”気づき”により、感情や思考により強く大きくなってしまった痛みや、それによる影響にとらわれたり、翻弄されない心を育みます。

慢性化した痛みに対して、医学的な治療だけでは感情や思考によって増大した苦しさを改善することは困難です。しかし、マインドフルネスの適切なトレーニングにより、その感じ方や悪影響は改善できます。しかもそれは自身で取り組めるのです。

脊髄刺激療法について


脊髄刺激療法(SCS:Spinal Cord Stimulation)とは、脊髄に留置した刺激電極リードから微弱な電気を流すことで、薬物治療や神経ブロックなどで効果が得られない痛みに対して、24時間継続した疼痛緩和効果を持続できる治療法です。
主に神経障害生疼痛や末梢血流障害による疼痛への軽減効果が期待できます。

脊髄刺激療法のメリット


  • 24時間継続した痛みへの軽減効果により、服用薬の量を減らし、副作用の軽減が期待できる
  • 生活スタイルに合わせた複数の設定が可能、且つ痛みの変化に伴い自身で刺激の調整が可能

  • 脊髄刺激療法は痛みを緩和するためのものであり、痛みの原因を取り除く根治治療ではありません。
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    脊髄刺激療法の治療の流れ


  • トライアル:脊髄硬膜外腔に刺激電極リードを留置し試験的に刺激を行う
  • 本植え込み:トライアルにより効果が認められた場合は、腰部への刺激装置を植込む
  • 本植込み後は医師の指導の下でメーカと治療刺激を設定し、患者自身がコントローラーにより痛みをコントロールできるようになる

  • トライアルの種類


    パンクチャー・トライアル
    トライアル用リードの片端を体から出し、トライアル用刺激装置に接続する
    ▶︎メリット
     入院期間が短く、侵襲性が低く体への負荷が少ない
    ▶︎デメリット
     本植え込みの時に刺激電極リードを改めて植え込む必要がある
     トライアル時と刺激電極リードの位置が変わる恐れがある

    サージカル・トライアル
    そのまま留置することを前提に刺激電極リードを植え込み、それに接続用リードを繋げ体外へ出し、トライアル用刺激装置に接続する
    ▶︎メリット
     トライアルで感じた効果をそのまま本植え込みでも再現できる
    ▶︎デメリット
     侵襲性がやや高くなり入院期間も長くなる

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